山片蟠桃
2022年12月24日

天才すぎる山片蟠桃、著作夢の代

投稿者: のんきまる
  • 夢の代という本
  • 地動説や無鬼神論の提唱
  • 司馬遼太郎が提案した山片蟠桃賞

山片蟠桃(ばんとう)とは?

1748年生まれ1821年に亡くなった江戸後期の町人学者です。通称は升屋小右衛門と言います。播磨国の出身です。

有名な偉業として仙台藩の財政の立て直しや、「夢の代」という本の執筆などがあげられます。

合理論者であり、西洋の知識吸収に貪欲で、「鬼神はいない」として無鬼神論を唱えました。

生い立ち

播磨国印南(いんなみ)郡神爪村(かづめ←現・高砂市)農民長谷川小兵衛の次男として生まれました。

13歳で山片家別家を継ぎます(山片久兵衛の養子となります。)やがて4代目久兵衛となると

差し米(見本米)や、米札(米と交換しますよといって発行したお札のこと)の発行などで本家を再興します。やがて仙台藩の蔵元となり仙台藩の財政をも再興します。

それらの動きが時の老中、松平定信の注目を得ました。夢の代の中の大知弁という経済論は松平定信に献上されました。

徹底的な合理論者

昔の人のイメージで妖怪とか、非科学的なことを信じているイメージが恥ずかしながら僕にはあったんですが、

この山片蟠桃は現代の人にも負けないくらいの合理論者、科学的思考の持ち主で

夢の代で提唱されている考えの中で有名なものは

”無鬼神論”(幽霊とかはいないという考え方)や”地動説””日本書紀の応神天皇以前の天皇の損じを否定する”などあります。

神様なんかいないといってしまうのは当時としてはすごい斬新な思想だったのではないでしょうか。

山片蟠桃は懐徳堂という商人が設立した画期的な学問所で学んでいました。その校風は生徒を富貴で分けないなど先進的なもので

そのような場所で学んだので蟠桃は先進的な思考を手に入れたのでしょうか。

著作、夢の代

夢の代という本があります。これは山片蟠桃の集大成的書物でした。大知弁が松平定信に献上されたことは上に書きましたよね。

上記した無鬼神論などの思想が書かれている本なのですが、これは当時未刊の本でした。

これが刊行されたのは大正のころだったんですね。

そのあと蟠桃についての研究が進んだのは戦後、それも外国の人たちによってでした。

山片蟠桃賞

現在大阪府は山片蟠桃賞という蟠桃にちなんだ賞を設けて、日本文化を海外に伝える役目を果たした著作、著者を表彰しています。

これは、故、司馬遼太郎氏の提案で設立されたようです。

司馬遼太郎さんと言えばその著書この国のかたちなどで山片蟠桃のことを書いてましたし、なるほどという感じですね。

こういう形で山片蟠桃という江戸後期の日本人を思い出せるのはいいことだと思います。

山片蟠桃は当時としては合理的すぎる考えの人で、その発想は時代の先を行っていた。

お読みいただきありがとうございました。

<キーワード>

山片蟠桃 夢の代 懐徳堂 無鬼神論 司馬遼太郎

・この記事ゆかりの地

  • 山片蟠桃像 (住所)兵庫県高砂市米田町神爪
  • 山片蟠桃の墓 (住所)兵庫県高砂市米田町神爪の共同墓地